沖縄の高血圧事情と血管内皮障害とアダラートの作用

沖縄県民は食事に豚肉を多く取り入れ、脂肪摂取量も多く肥満率が高いことで知られています。ところが高血圧や糖尿病の患者の比率は、全国平均よりもかなり低くなっています。このデータは、コレステロールが必ずしも生活習慣病の原因とは言えないことを示しています。沖縄で高血圧が少ないのは、塩分の摂取量が少なく、海草などの食物繊維を豊富に摂る食生活が一因と考えられます。またストレスの少ない沖縄のライフスタイルが影響しているのかもしれません。
塩分の摂取量は、高血圧の患者数と密接にかかわっています。血圧が上がると血管の壁が脆く弱くなり、さらに悪玉コレステロールや酸化ストレスが増加すると、血管内皮障害を起こすことがあります。血液は放っておくと固まりますが、血管内皮の細胞は一酸化窒素などの物質を放出して、血小板の凝集を抑える働きをしています。血管内皮障害を起こした細胞は、この働きが弱くなるため、血栓ができやすくなってしまいます。これが動脈硬化の代表的な症状です。できた血栓は脳や心臓の血管に詰まり、脳梗塞や心筋梗塞など重大な病気の原因になります。
アダラートはカルシウム拮抗薬と呼ばれる高血圧治療薬です。血管の細胞はカルシウムを取り込むと収縮し、血圧が上がります。アダラートはカルシウムの取り込みを阻害することにより、血管を弛緩させて血圧を下げる作用があります。またアダラートは血管内皮への刺激を抑制するため、血管内皮障害による動脈硬化を防ぐ効果もあります。
アダラートは1970年代に狭心症の治療薬として発売されました。現在では副作用が少なく、1日1回の服用で効果を発揮する降圧剤として、高血圧患者に広く用いられています。